日本の家具のもっとも大きな特徴は、丈夫で使いやすいということです。妥協を許さない姿勢がこういった製造にも表れており、細部まで緻密に作られていますので、ちょっとしたことでは壊れません。長く愛用できる家具としても世界的に人気があり、品質の高さでは群を抜いています。古くから木造建築が行われてきた日本では、木材の加工やその組み合わせによる高度な建築技術が培われてきたということもあり、家具にもそれが存分に活かされています。高い建築技術は家具に応用され、美しくて丈夫なものを作ることができるようになりました。
使えば使うほど味が出てくるのも日本の家具の特徴であり、年月の経過による変化をも楽しめるようになっています。最近ではコストダウンするために安い木材を使ったり一括製造を行うことも増えていて、それが質の低下につながっているという指摘もありますが、昔ながらの職人に作られた日本の家具には美しさと堅牢さがあり、今でも多くの人たちを惹きつけています。
世界中から日本の家具作りの工程を習得しようと試みる人が訪れるくらいに技術に関しては定評がありますが、独特の工法などは複雑で習得するのが困難です。後継者不足が深刻なケースも多く、伝統の技術が絶たれてしまうことも多々あり、外国から学びに来た人たちが受け継ぐことでその技術が続いていくこともあるようです。
世界に誇る日本の家具には、これまでの木造建築の技術が活かされています。最近では和家具を見直す動きもあり、桐箪笥や茶箪笥などは人気があります。和家具は直線的でアシンメトリーが好まれ、装飾は比較的単純です。デザインは単調で硬いというイメージもありますが、アシンメトリーにすることによって硬さが和らいでデザインに自由度が増します。
近頃購入する人が増えているのは、無垢の木材を使った日本の家具です。インターネットなどでも売られていて、海外の人が購入するケースも増えているようです。