日本庭園は、池や泉、さらに庭石や植木などを、伝統的な様式で配置できるように設計された庭園の事をいいます。また東屋や茶室なども効果的に配置し、その美しさから絵画的だと表現される事も少なくありません。また同じ様な様式の庭に対して和風庭園と言う事も有りますが、どちらも同じタイプの庭の事を指しています。
一般的に日本庭園は左右対称の設計となっており、自然の景観をイメージしてそのデザインが決められています。そのため、池谷島などが作られたり、小さな山が作られるという事も決して珍しくありません。ただその土地の広さによっても可能となるデザインが違っているので、狭い場所に作る場合は最小限の物を配置し、十分な広さが確保できる場合は建物や石灯籠等も配置されています。
元々日本では日本庭園を造ると言う文化は有りませんでした。漢字等と同じ様に、この文化は最初は朝鮮半島、後に中国から伝わり、それぞれの国からの刺激を受け、徐々に日本の風土や文化等も取りいれて、現在の形へと変化して行きました。したがって、最初から今の様な状態になっていたと言う訳ではありません。元々日本では飛鳥時代に初めての日本庭園が造られたと言われていますが、その当時の物は今の物とは少々違っていました。
日本庭園は物にはそれぞれ魂が宿ると言うのを念頭に置いて設計されています。したがって、洋風の庭園の様に左右対称のデザインとなっているわけではないし、中国風の庭園の様に方角を意識して綿密に設計されていると言う訳でも有りません。したがって、どちらの庭とも全く違ったデザインとなっています。ただ左右非対称であり、自然の景色を作り上げた庭となっていますが、決してまとまりのない物になっていると言う訳ではありません。その景色を見ると、一見単なる自然の風景ともとらえられてしまう事も有りますが、そこには日本文化独自の趣やわびさびを感じる事が出来るようになっているからです。